ブースト圧とは何の数字かわかってます?

ブースト圧の単位は「Bar」

ブースト圧(過給圧)はエンジンのピストン内の気圧を指します。単位は「bar(バール)」で表し、1bar=1013kPa(1気圧)です。「じゃあピストン内部に空気が全部入ったら1barか!」と思ったら、実は違うんです!

ブースト圧とは絶対圧ではなく相対圧、つまりエンジンの外の空気に対して何気圧か?ということを示しています。下の図を見てください。

左図をアイドリング時、右図をアクセル全開時とします。自然吸気エンジン(NA車)はエンジンの中より外のほうが高圧なので、物理の法則に従ってピストン内部に空気が入ります。この入る前は大体 -0.8barぐらいです。アクセル全開では外の空気が一気にたくさん入るので、気圧が外の空気と等しくなり、0.0barとなるわけです。このように外気より低圧だとマイナスで表され、前回では0barになります。因みにエンジンが停止している時は、中は真空のような状態になるので -1.0barになります。

それではターボ車やスーパーチャージャー車(SC車)はどうなるでしょう?

ターボやSCでは外気に加えて、タービンが排気ガスを無理矢理ピストン内部に入れ込むので、アクセルを少し強く踏めば0barは超えてくるわけです。昔は全開時が0.7barぐらいでしたが、今は当たり前に2barにも達するわけです。(最新のAMG A45 Sがその例)つまり絶対圧では3bar!3000kPaほどの圧力がエンジン内部にかかります。

エンジンに無駄な圧力がかかると壊れてしまいます。NA車はそこまでの圧がかからないので、通常はブースト圧は考えませんし、今◯◯barなんて言い方はしません。ブースト圧がかかりすぎるとエンジンが壊れることがあり、それを未然に防ぐ目的でターボ車にはブースト計がついていました。ですので普通ブースト圧はターボ/SC車での言い方をします。

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MAMORU SARAYA