メルセデスベンツ W221 S65 AMG TCUチューニング|ミッション制御ユニットの書き換えでシフト特性を最適化

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メルセデスベンツ W221 S65 AMGのTCU(トランスミッション制御ユニット)チューニングを施工しました。すでにECUチューニングでエンジン出力を引き上げていた弊社所有の車両で、6.0L V12ツインターボの出力アップにミッション側の制御が追いついていない部分があったため、5速ATの制御プログラムを見直し、クラッチの繋がり方とシフトタイミングを最適化しています。パーツの交換は行わず、制御プログラムの書き換えのみで対応しました。

メルセデスベンツ W221 S65 AMG TCUチューニング施工車両

車両情報

車種メルセデスベンツ W221 S65 AMG(6.0L V12ツインターボ/5速AT)
作業内容TCUチューニング(トランスミッション制御ユニット書き換え)
作業日2023年6月21日
施工店mbFAST Tuning

作業内容

TCUの脱着とデータ読み込み

W221 S65AMGのTCUは、助手席側の足元パネルを外した先に搭載されています。内装パネルを外してユニットにアクセスし、カプラーを取り外してユニット単体でデータを読み込み、内部に保存されているプログラムを確認しました。

5速ATは今の多段ATに比べると単純な構成ですが、クラッチの繋がりが滑らかで乗り心地を重視した制御になっている一方、ECUチューニングでエンジン出力を上げた状態ではミッション側のプログラムが追いつかず、繋がり方に遅れが出るケースがあります。特にV12ツインターボのようにトルクの大きいエンジンでは、この差が体感としても現れやすくなります。

W221 S65 AMGの助手席足元にあるTCUの取り外し作業の様子
取り外したTCUのデータを読み込む作業の様子

シフト特性の書き換え内容

TCU内部にはアダプションデータとトルクリミッターの設定が保存されています。これらを見直すことで、クラッチが早く確実に繋がるようになり、摩耗を抑えながらより低い回転数でのシフトチェンジが可能になります。純正の制御はクラッチをじわりと繋げることで乗り心地を優先していますが、パワーアップ後の車両ではこの繋ぎ方が半クラッチ状態を招きやすくなります。

書き換え後は、アクセルを踏み込んだ際にエンジン回転数だけが上がって加速が追いつかないような半クラッチ状態が解消され、回転数の上昇にあわせてスムーズに加速するようになりました。ロックアップクラッチの繋がりが強化されたことで、ECUチューニングで引き上げたパワーにもミッション側が対応できる状態になっています。あわせてP・R・N・Dの切り替え応答も速くなり、日常の取り回しでも変化を感じられる仕上がりになりました。

5速ATは電子制御化が進んだ現行の多段ATに比べると仕組みはシンプルですが、その分TCU内部のパラメータが与える影響は大きく、書き換えの効果を体感しやすいという特徴もあります。急な合流や追い越しでアクセルを踏み込んだ際にも、回転数の上昇とクラッチの繋がりがずれにくくなり、狙った通りの加速につながるよう調整しました。

TCUデータの読み込み・編集作業の様子
TCUチューニングのデータ編集作業の様子

作業のポイント

ECUチューニングでエンジン出力を上げても、ミッション側の制御が対応していなければクラッチの摩耗や繋がりの遅れといった形で不具合が出ることがあります。今回のTCUチューニングは、そうしたパワーアップ後の弱点を補う目的で、弊社所有の車両を使って実施しました。

TCU単体の書き換えでもクラッチの繋がりやシフトタイミングは変化しますが、ECUチューニングとあわせて行うことで、出力アップとミッションの制御が噛み合った状態に仕上がります。パーツの交換は行わず、制御プログラムの書き換えのみで対応できる点も特徴で、施工時間も比較的短く済みます。

施工前のデータは保存しているため、必要であれば純正の制御に戻すことも可能です。5速ATなど旧世代のミッションであっても、対応できるプログラムであればTCUチューニングによる改善が見込めるため、古い年式の車両にお乗りの方にも選択肢としてご紹介しています。

今回は弊社所有の車両での施工でしたが、実際にオーナー様の車両でも同様の書き換えをご依頼いただくケースがあります。ECUチューニングで出力だけを上げてミッション側に違和感を覚えている方には、TCUチューニングをあわせてご検討いただくことをおすすめしています。

よくあるご質問

Q. TCUチューニングとECUチューニングは何が違いますか?

ECUチューニングはエンジン側の出力を引き上げる書き換えで、TCUチューニングはミッション側の制御プログラムを見直す作業です。エンジン出力を上げた車両では、TCU側もあわせて調整することでクラッチの繋がりやシフトタイミングを最適化できます。単体でも施工できますが、ECUチューニングとの組み合わせで効果を発揮しやすい作業です。パワーアップ後にミッション側の違和感が出ている車両に特に効果的です。

Q. TCUチューニングだけを単体で依頼できますか?

対応可能です。すでにECUチューニングを施工済みの車両でミッション側の繋がりに違和感がある場合や、パワーアップの予定はなくシフト特性だけを見直したい場合にもご相談いただけます。車種やミッションの種類によって対応可否が異なりますので、まずはお問い合わせください。

Q. 施工後に純正の状態へ戻すことはできますか?

施工前のTCUデータは保存したうえで書き換えを行いますので、必要に応じて元の制御プログラムに戻すことも可能です。点検やディーラー入庫の際など、純正状態に戻したいご要望にも対応しています。書き戻しにかかる時間も、通常の書き換えとほぼ同程度です。

この施工の詳しい経緯は mbFAST Tuning 本店ブログの記事 でもご紹介しています。

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