【施工記録】メルセデスAMG C63s(W205前期)ECUチューニング Stage2|公道現車合わせで純正比+90馬力|mbFAST Tuning
メルセデスAMG C63s(W205前期・M177型4.0L V8ツインターボ)にECUチューニング Stage2を施工した記録です。すでに2次キャタレスのダウンパイプが装着された状態でお預かりし、店内ベンチではなく公道走行でのログ取得を3回繰り返しながら、パーツ構成に合わせたセッティングを詰めました。仕上げにバブリングも追加しています。

車両情報
| 車種 | メルセデスAMG C63s(W205前期・M177 4.0L V8ツインターボ) |
|---|---|
| 作業内容 | ECUチューニング Stage2(ダウンパイプ装着車の公道現車合わせ)+バブリング |
| 出力 | 純正 約510PS → 想定 約600PS・約900Nm(+約90PS・+約200Nm) |
| 作業日 | 2022年11月14日 |
| 施工店 | mbFAST Tuning |
作業内容
Stage1とStage2の違い
mbFASTのStage1は、純正パーツのまま安全マージンの範囲でECUを最適化するメニューで、C63sではおよそ+60PS/+150Nmが目安です。Stage2は、これに排気の出口を広げるダウンパイプが加わった状態を前提としたメニューで、排気の抜けが良くなることでターボが回りやすくなり、同じ過給でもパワーが出しやすくレスポンスも軽くなります。今回はこのダウンパイプ装着済みの構成に合わせてECUを書き直し、過給圧・燃料・点火のマップを取り直しました。

公道での現車合わせという方針
チューニングには、あらかじめ用意された汎用データを書き込むだけの方式と、車両を実際に走らせながらセンサーのログを見て一台ごとに調整する現車合わせがあります。mbFASTでは後者を採用しており、今回も周囲に他車のいない安全な状況を選び、3速・4速でアクセル全開のログを取得しました。過給圧・点火タイミング・空燃比といった項目を一度の走行で数十項目記録し、持ち帰って解析したうえで書き換え、再び走行して確認する工程を繰り返しています。

3回のログ取得で追い込んだセッティング
1回目は4速で全開ログを取得したところ、あっという間に224km/hへ到達し、公道で安全にデータを取り切るには速度域が高すぎることが分かりました。ログ上では過給圧が一瞬狙いより大きく跳ね、ECUが自らを守るために点火タイミングを大きく引く場面も確認されたため、2回目はギアを3速に固定して速度域を下げる方針に切り替えています。
2回目は3速固定とし、全開でも163km/hに収まって安全にデータ取得ができるようになりました。点火を大きく引く場面もゼロになりましたが、狙った過給圧に対して実際の過給の出方にムラが残り、トルクの波が少しガタつく状態でした。ここをならすことが最後の課題として残りました。
3回目は、目標過給圧を全域で適正まで引き上げつつ、実際の過給がその狙いにきれいに沿うよう制御を煮詰めました。低中回転の谷が消え、上まで途切れないフラットなトルクに仕上がっています。点火は低中回転で安全マージンを確保しつつ高回転はしっかり進める設定とし、無理に引かれる場面は最後まで一度もありませんでした。結果、全開・全域を通してノック検知はゼロ、空燃比も安全圏に収まった状態を完成としています。

バブリングの追加
ご要望を受け、バブリングも全ドライブモードで“普通くらい”の設定を目安に追加しました。ベースに抜けの良いダウンパイプが入っている分、もともとの排気音が大きく、結果としてかなり迫力のあるバブリングサウンドに仕上がっています。バブリングは演出としての設定のため、装着・使用にあたっては周囲への配慮をお願いしています。
作業のポイント
この施工のポイントは、最大出力の数字を追うのではなく、安全マージンの中でフラットに出るトルクを狙った点です。3回のログ取得は失敗の繰り返しではなく、1回で終わらせず納得いくまで詰めた結果であり、最終的に全域でノック検知ゼロ・空燃比も安全圏・過給の谷なしという状態に仕上がりました。ダウンパイプの抜けの良さも手伝い、バブリングは結果的にかなり迫力のある音になっています。
次のステップとして、ミッションを制御するTCU(トランスミッション制御ユニット)のチューニングも検討の余地があります。今回はECU(Stage2)のみでTCUは見送りましたが、ここまで出力とトルクを引き上げると、作った力をいかにロスなく路面へ伝えるかが次のテーマになります。変速レスポンスの鋭さや、上げたトルクに合わせたクラッチ保持圧の最適化などが期待できるメニューです。
よくあるご質問
Q. なぜ店内ベンチではなく公道でセッティングするのですか?
汎用データを書き込むだけでなく、実際の走行で得られるログをもとに一台ごとに調整する現車合わせを重視しているためです。ベンチでは再現しにくい実走行時の負荷や挙動を反映したセッティングにできる一方、安全なコース・状況を選んで実施する必要があります。
Q. Stage1とStage2はどう違いますか?
Stage1は純正パーツのまま安全マージンの範囲でECUを最適化するメニューで、C63sではおよそ+60PS/+150Nmが目安です。Stage2はダウンパイプなど排気の出口を広げるパーツが装着された状態を前提に、そのパーツ構成に合わせて過給圧・燃料・点火を作り直すメニューです。
Q. TCU(ミッション側)のチューニングもできますか?
対応可能です。今回はECU(Stage2)のみのご依頼でしたが、TCUのチューニングでは変速レスポンスの向上や、上げたトルクに合わせたクラッチ保持圧の最適化などが期待できます。Stage2の効果をより路面に伝えたい場合におすすめのメニューです。
施工動画
ダウンパイプとバブリングによる排気サウンドは動画でご確認いただけます。
この施工の詳しい経緯は mbFAST Tuning 本店ブログの記事 でもご紹介しています。
※出力・トルクは店内シャシダイの測定値ではなく、現車セッティングのログから判断した想定値です。同じStage2でも装着パーツ・燃料・コンディションで数値は変わります。車検対応可否は車両状態・地域により異なります。公道使用に関わる詳細はお問い合わせください。
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